サイトで参考にしている本です。
アメリカのベストセラー作家で、海洋生物学者のレイチェル・カーソンさんの本です。
自然の素晴らしさをこれほどまでに簡潔に精密に書かれた本があるなんて、というのがはじめて読んだ時の感想です。
短くてすぐに読み終えてしまう本ですが、何度も何度も繰り返し読みたくなるほど愛に満ちた文章です。 以下、大好きな部分を引用します。
まだほんの幼いころから子どもを荒々しい自然のなかにつれだし、楽しませるということは、おそらく、ありきたりな遊ばせかたではないでしょう。
けれどもわたしは、ようやく四歳になったばかりのロジャーとともに、彼が小さな赤ちゃんのときからはじめた冒険―――自然界への探検―――にあいかわらずでかけています。
そして、この冒険はロジャーにとてもよい影響をあたえたようです。 わたしたちは、嵐の日も、おだやかな日も、夜も昼も探検にでかけていきます。 それは、なにかを教えるためにではなく、いっしょに楽しむためなのです。
寝る時間がおそくなるからとか、服がぬれて着替えをしなければならないとか、じゅうたんを泥んこにするからといった理由で、ふつうの親たちが子どもから取りあげてしまう楽しみを、わたしたち家族はみなロジャーにゆるしていましたし、ともに分かち合っていました。
雨の日は、森を歩きまわるのにはうってつけだと、かねてからわたしは思っていました。
自然は、ふさぎこんでいるように見える日でも、とっておきのものを子どもたちのために用意しておいてくれます。
子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。
残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。
もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもたちに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」を授けてほしいとたのむでしょう。
この感性は、やがて大人になるとやってくる倦怠と幻滅、わたしたちが自然という力の源泉から遠ざかること、つまらない人工的なものに夢中になることなどに対する、かわらぬ解毒剤になるのです。
妖精の力にたよらないで、生まれつきそなわっている子どもの「センス・オブ・ワンダー」をいつも新鮮にたもちつづけるためには、私たちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、すくなくともひとり、そばにいる必要があります。
わたしは、子どもにとっても、どのようにして子どもを教育すべきか頭をなやませている親にとっても、「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。
子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。 幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。
子どもたちは、きっと自分自身が小さくて地面に近いところにいるからでしょうか、小さなもの、目立たないものをさがしだしてはよろこびます。
嗅覚というものは、ほかの感覚よりも記憶をよびさます力がすぐれていますから、この力をつかわないでいるのは、たいへんもったいないことだと思います。
自然にふれるという終わりのないよろこびは、けっして科学者だけものもではありません。 大地と海と空、そして、そこに住む驚きに満ちた生命の輝きのもとに身をおくすべての人が手に入れられるものなのです。
素晴らしい本です。
いろんな動植物の飼育法が書かれてあります。 小学館の図鑑NEOシリーズの中でも特にオススメの一冊です。
撮影する対象や状況別に画像付で詳しく解説してあります。 生物を撮影するときの知識もこの本で学びました。
2008-09-29